INDEX 正しい食事FunOfLife/
広島お好み焼きへの挑戦

正 し い 食 事 

【 広島お好み焼きへの挑戦 】

c o n t e n t

【広島お好み焼きとは】 【大阪お好み焼きとの違い】 【広島お好み焼き製造手順】

【広島お好み焼きとは】
そもそも、5年前(1994年前後)に大阪でお好み焼きを食べて、全世界に広がる「小麦粉食の文化」の研究を思い立ち、その後「手打ち餃子」「パスタ」「ピザ」「天婦羅」と様々に姿を替えて私達の身の回りにあらわれるこの旨い物の研究をつづけていた。

たびたび、「広島お好み焼きの」本格的な研究を行おうと思いながらも機会を得ずにいた
会社が倒産する(1999/6)を機会として、広島〜大阪〜浜松〜東京を回ると言う旅をする機会が出来た。

そこで、2日半と言う短い期間ではあったが広島市内で7軒のお好み焼きを味わう機会をえた
その後、新潟に戻り、広島お好み焼きを実際に自分で作ってみる事によって多くの示唆に富む発見をした様な気がする。
まだまだ、広島お好み焼きの奥は深い

特に「ベース(後述)」の作り方に関してはこのような短期間のフィールドワークでは何も分らないと言っても良い
どなたか詳しいレシピを教えて貰えない物だろうか

しかしながら、現時点で私自身が考えている広島お好み焼きのイメージは大筋において間違えていない様な気がする

ちなみに、「大阪お好み焼き」と「広島お好み焼き」は名称に同じ「お好み焼き」という単語が入っているが全く異なった分類をするべきであろう考えている。

水棲哺乳類と陸棲哺乳類の差と同じくらいの隔たりが有ると考えられる。
同時に、広島お好み焼きの製造過程の複雑さは全世界への普及を妨げ、本当の美味しさを隠蔽する事になっていると思われる

もっと、広島お好み焼きは世界の食文化の中での特殊性を強調されても良いと思う。(滅茶苦茶旨いと言う事であります)


【大阪お好み焼きとの違い】
時々聞く両者の違いとして以下の事が良く言われるがこれらは俗説である(とおもう)

1)大阪は自分で焼くが、広島は焼いてもらう
広島は工程が複雑な為に単純に何回かひっくり返すと言う方法では焼けないのだ/大阪でも、通常は(大量生産を行わない店)では店の人が完成までこまめにチェックする/
2)大阪は鉄板上で食うが、広島は皿で食う
これも誤解である/皿の上で食う場合は加熱がそこで止まる為に食べる過程での味の変化が楽しめないし、逆に適切な時間の中で食事が行なえない場合は加熱が進み過ぎると言う問題が有る/多くの場合、食事のパターンなのだ/鉄板で食いながら小皿を使わせてもらう場合も多く見受けられる
3)広島お好み焼きは焼そばの事だ
これは一面の真実である/しかしながら通常考えられている焼そばという考え方とは少し違う/私が調査した7軒のなかでも麺を炒める店、いためない店、茹でる店、茹でない店、ほぐす店ほぐさない店、と様々な変種があった/「お多福ソース社の指導で最近は麺を炒めてソースをそこでかける店が増えている」とある店では言われた。
では具体的にどのような形をとれば家庭で広島お好み焼きを作る事が出来るかと言う事を解説しながら、両者の違いを明らかにして行きたいと思う。
ちなみに、どちらが旨いかと言われてもそれは答える事が出来ない。

ラーメンとパスタとどちらが旨いかと言われても答えられない様な物だ。ただ、まずい物を作る料理人と旨い物を作る料理人はいることはいる。
当たり前の事だが、料理は腹ぺこの時に食うに限る。


ちなみに、今度大阪お好みの作り方のページも作ります


【広島お好み焼き製造手順】
このお好み焼きの手順は「香川さん」というお店のねえさんと話をしていて2枚フライパンを使えば何とか作れるかも知れないと示唆を受けて考えた物である。
8月に旅から帰ったのだが暑くて作る気がしなかったのだが、9月に近付いて何とかやってみる事ができる様になった。
まだ3-4回しかやっていないのでこれから手順は大きく変わる事になると思う。


最初にフライパンを2つ用意します
片方は無水鍋系の物の方が良いです

材料は
1)小麦粉+水(ベースを作ります/これ以外にも沢山はいるらしい)
2)キャベツ+もやし(広島の水気の少ないモヤシ/新潟では入手困難)
3)肉
4)卵




【ベース焼】
まず、1)の小麦粉をクレープの様に薄く延ばします
お店ではこの上にキャベツともやしを乗せてぱりっとするまで焼けたらくるりとひっくり返します

家では広い鉄板が無いので別なフライパンで焼いてキャベツの上に乗せます

このベースにスパイスを降って、少し味を付けます





【キャベツ焼】

この過程は家で作る時に独特の物です
隣のフライパンにキャベツをいため始めます
ただし、加熱は弱火です
絶対にキャベツを焦がしては行けません



【ベース覆】
ベースでキャベツを覆います
ゆっくりと過熱されたキャベツの蒸気がベースにしみ込んで来ます
家庭では十分に蒸気をもらさない様な大きなベースを作れないのでキャベツの上にベースを乗せたらフライパンの蓋をします
無水鍋だと、完全に蒸気が逃されないので旨いですが、ベースのパリパリ感が失われる事が心残りです
この過程でいかにキャベツの美味しさを逃がさないかでこの料理の本質は決まります

広島のどのお店もこの過程を重視していました
ベースの上から重しをあげたり、ヘラで押さえたり、様々の方法がとられます

変な話ですが、無水鍋でこの過程を行うと実に美味しく作る事が出来ます(この辺は面白い物です)



【肉焼】
肉を焼きます
この過程も弱火です
実に長く肉は過熱されるので軽く焼きめが付いたらひっくり返してしまいます

そしてすさず麺をあげます
麺をあげたら油を少しだけ麺の上からさします
お店ではこの過程にも千差万別が有ります

麺を水にくぐしてから肉に乗せたり、麺自身が生麺で茹でてから上げたり、蒸麺を使い袋からやぶったままの形を残したまま乗せたり、様々な方法が有ります
考えた末、袋から出したままの姿でのせる方法を採る事にしました
中華そば、ウドンの2種類が上げられます
ダブル=2玉の場合/ミックス=ウドンと中華そばの場合/この場合は「ミックスダブル」となります



【麺固】
麺の上にベースを少したらします
この過程は最初の頃は見過ごしていました

ベースをたらす事によって麺が固まります
後述しますが、焼そばと広島お好み焼きの大きな違いはここに有ります
麺が一体となるって蒸らされるのです

肉とフライパンに面した部分はこんがりと焼けて、上の部分は蒸されるのです
肉の旨味が麺にしみ込んで行きます



【麺キャベツ御対面】
手前ではキャベツが蒸されています
向うでは肉が蒸されています
この際、出来上がりの2倍の面積が必要となります
この過程が最も重要です
そして、キャベツの方を麺の上にそのまま乗せます
鉄板 --> 肉 -->麺 --> キャベツ -->ベース  と言う順番で層が作られます



【目玉焼き】

もう一方のフライパンを手早く洗い、油をしいて卵を焼きます
写真では奥の方に肉、麺、キャベツ、ベースのサンドイッチが出来ています
加熱は最小です



【麺キャベツ合体】
卵の黄身を軽く潰して奥のフライパンのサンドイッチを乗せます
白身が少し固まった所で乗せます

肉が熱い状態で卵に乗るので、黄身が肉と合体します(これが絶妙です)
鉄板 --> 卵 --> 肉 -->麺 --> キャベツ -->ベース  と言う順番で層が作られます

やはり、加熱は最小です



【卵合体後反転】
最後にひっくり返します
鉄板--> ベース -->キャベツ-->麺--> 肉-> 卵   と言う順番になります
最後にベースにもう1回熱をかけます





【ソース&青海苔】
ソースと青海苔を上にかけて出来上がりです



【完成アップ】
出来上がったお好み焼きをカットした断面です
大事な事は麺をほぐして食べない事です
へらで切って、断層を楽しみながら食べるのです
キャベツの甘さがこれほど楽しめる料理は他に無いかもしれません




【終わりに】
大阪お好み焼きでもキャベツは多く使いますが、ベースの中に溶け込んで一つの味になっています
それに比べて広島お好みではキャベツはキャベツとしての味が明確になっています

初めて広島のお店で食べた時にキャベツが柔らかくて、美味しい事に驚きました
ソバも上の方はパリパリで同心円の中心に向かうほど、厚さの中心に向かうほどトロリと融けている事に驚かされます
御存じの様に麺は小麦粉を練った物です
その麺がキャベツの蒸気と肉の旨味で、もう一度融けるのです

大阪お好みはベースに山芋や様々な物を加えて小麦粉を食べる料理です
僕の大好きな下町のお好み焼きは信じられないくらい多くのキャベツを使います
キャベツと小麦粉の絶妙な関係こそが素晴らしいのです

広島お好み焼きは1回麺の形にした小麦粉をもう1回一つにして食べるのです
無論、皿で食べるとほぐして焼そばの様にして食べます
しかしながら、その食べ方はお勧めいたしません
鉄板でヘラを使い、ケーキを切る様に断面を楽しみながら味わいましょう

周辺近くの麺は当然カリッとしていますし、中心地近くはとろける様な麺の舌触りが楽しめます

そして、キャベツの甘味が最高です







車で近くのグラウンドに行って食べる事になった

お外御飯である
食事は楽しいのが一番
世界一ノンキな失業者かも知れない



暑くなく、寒くなく、風も穏やかで最高のひよりである

僕:なんで、こんな良い日に皆ピクニックしないのかねえ
奥さん:平日の昼間だからねえ
僕:こんなに良いと失業も良い物だねえ
奥さん:そうだねえ、ズーットしているかい

麻菜:嬉しそうに笑っている

又明日も来る事になった



未成年者の飲酒は禁じられております



【広島お好み焼きの先生(ハマチョビさん)のページ】


そもそも、広島お好み焼きを食いまくろうと考える事になったきっかけのページなのだ

ちょっと、広島いって食って来るか!!!